今回ご紹介するのは、小学5年の11月に家庭教師のトライに入会し、最終的に関西大倉中学校・京都聖母学院中学校に合格したRさんの中学受験ストーリーです。
志望校選びや塾の併用、学習ペースの乱れ、保護者の意見の違いなど、さまざまな課題に向き合いました。
最終的に本人が「自分で行きたい学校を選ぶ」という気持ちを持ち、前に進んだ結果が実を結んだケースです。
日能研と併用に家庭教師のトライを検討中の方が、読んで参考になる記事です。

家庭教師のトライの教育プランナーとして、600人以上のお子さんをサポートしました。
5年生の11月にトライに入会~日能研と併用まで
小学5年11月:馬渕教室をやめて家庭教師のトライへ
Rさんは小学5年生の11月、馬渕教室を退塾し、家庭教師のトライで中学受験を目指すことになりました。
ご両親は中国籍で、お父さまは日本語も堪能。
Rさん自身も日本語での会話に問題はなく、勉強は嫌いではないものの、ご両親の期待に応えようという思いから受験に取り組んでいるようでした。
週3回90分、社会人教師2名による指導体制でスタート。
入会時点の駸々堂模試の偏差値は以下の通りで、志望校合格に向けてはかなりの伸びが必要な状況でした。
- 国語:46.5
- 算数:48.4
- 理科:48.8
- 社会:38.3
第一志望の立命館中学校CL前期B方式には偏差値14アップが、第二志望の関西学院千里国際中には偏差値5アップが求められる位置です。
家庭教師のトライが中学受験におすすめできる理由と料金について、くわしく解説しています。
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小学5年2月:日能研との併用開始と算数教師の交代
入会から半年後、国語は伸びていましたが、算数の成績が上がらずトライを退会するという話もありました。
しかし算数担当の教師を変更し、トライを継続することになります。
算数担当の教師は、最終的に3人目の先生で落ち着きました。
2月から日能研に通い始めました。
日能研がレベル高いため勉強を教えてもらうではなく、日能研の情報や今年の動向など偏差値推移や難易度を把握したいことが目的とお父様はお話しされました。
2月の学習状況は以下の通りです。
- 国語:知識・抜き出し問題は得意
- 学習計画もできているし自主性もある
- 宿題管理:自分でダイアリーと付箋を活用している
ただし、体調面に不安があり、通塾慣れにも時間が必要です。
保護者はグローバル教育を重視し、志望校としてアサンプション国際・関西学院千里国際・同志社国際・立命館宇治などを検討。
ただし、同志社国際は帰国子女枠中心で、一般枠は20~30人しかとらず狭き門。
自己推薦入試で立命館宇治を狙うためには通知表の成績を上げる必要がありましたが、当時は通知表3段階中3は1つ他は2です。
今後生徒が自立学習ができるか、トライでは効率の良い授業ができるかがポイントとなりました。
6年生5月:全体の状況と課題
公開模試の結果と志望校が明確に
日能研の公開模試の4月(3回目)の結果
国語偏差値37.1 算数37.3 理科34.8 社会31.5
全体的に1回目より上がっていました。
- トライでは主に日能研の育成テスト対策を実施中。
- 生徒は理科が好きだが、算数の文章題に時間がかかる傾向。
志望校の条件:グローバル教育を取りいれている所で通学30分ほど
- 志望校が具体化(偏差値は日能研公開模試をもとに調整)
- ①立命館宇治(偏差値50)
- ②京都聖母学院(35〜39)
- ③京都橘中(41〜47)
- ④京都先端科学大附属(37)
学習スケジュールと学習時間の実態
偏差値50を目標なので、育成テストの評価を上げる➡日々の自宅学習の取り組み方が重要
曜日 | 指導/学習内容 | 可能な自宅学習時間 |
---|---|---|
月 | トライ算数 | |
火 | 日能研国語 | |
水 | 16:00〜17:00 小学校の宿題 18:00〜21:00 国語 | |
木 | 日能研算数 | |
金 | トライ算数、水泳(宿題はできず) | |
土 | 日能研理社 | 10時~12時 20時~21時 |
日 | トライ国語 | 14時~15時 20時~21時半 |
- 日能研がある時は21時半に帰宅して22時半に就寝
- 土日自宅学習の順番:「国語 → 算数 → 理科 → 社会」
科目ごとの課題と対策
◆国語
- 水曜だけでなく土日も取り組むよう提案(定着のため3日間に分けて学習)。
- 宿題で答えを写す癖があり注意:→ 授業冒頭で小テスト実施を指示。
- お父さまから「国語の授業を増やした方が良いか」と相談あり。
- → 自宅学習が定着した上で必要性があれば追加を検討と説明。
◆算数
- 文章問題の理解にムラ:数値や言い回しが変わると対応できない。
- 木曜22:00〜22:30に事前演習→翌日トライ算数の授業で確認し、定着を促す流れに。
- 金曜は水泳のため、算数の宿題ができていない点がネック。
お父さんは今は算数も国語もどちらの担当教師を気に入っているようです。
◆理科・社会
- 答えを見ながらやる癖あり(理科は好きなのでほぼ自力で対応)。
- 社会は未実施の日があり不安定 → 絞り込みと重点対策を今後相談。
家庭との連携・その他の対応
- 水泳は運動目的で継続方針。学習時間確保のため早退なども提案。
- 得意・不得意によって宿題に取り組まない時は、事前に先生へ保護者から連絡することで調整。
- 模試は日能研と駸々堂を併用。トライは駸々堂模試+過去問で志望校判断。
- 面談内容・保護者からの要望は、すべて教師2名に共有済み。
親御さんは「このまま結果が出るか不安」と心配している。
6年生 6月〜7月|評価アップと次なる課題への対応
家庭環境と生徒の学習姿勢
6月時点で、Rさんのご家庭はお父さまが出張が多く不在がち、お母さまもお仕事などで忙しくされているご様子でした。
そのため、ご両親の教育方針にギャップがあり、母子間のコミュニケーションがスムーズにいかない場面が見られました。
そうした環境の中でも、Rさんは日能研での学びに前向きに取り組み、育成テストでは算数・国語ともに評価が3から4へとアップ。
票かを目標にやる気になっています。
周囲の生徒との関わりの中でよい刺激を受けており、Rさんにとって適した学習環境であることが確認できました。
各科目の取り組みと課題
◆算数の状況と対策
- 木曜日に日能研の宿題に取り組んでいるが、理科系の応用計算や文章題に苦手意識がある。
- 7月の面談では、図を書いて考えると理解しやすいというアドバイスを日能研からもらい、今後の学習のヒントになりました。
- トライの授業では、月曜日に以下のような流れで算数を学習:
- 育成テストの直し(15分)
- 栄冠ノートの演習(75分)
- 時間があれば共通問題のやり直しも実施
次回模試では「大問2までを丁寧に取り組むこと」を目標に、トライの教師にも声かけを依頼しました。
◆国語の状況と対策
- 難問は避け、記号問題や暗記系には自力で対応できている。
- ただし、記述問題は答えを見て書く場面があるため、今後の強化ポイントとして共有。
- お母さまが学習内容をチェックしきれていないため、サポート体制の見直しも必要と感じています。
- トライでは「漢字の復習」に重点を置き、模試では「大問3までを時間をかけて丁寧に取り組むこと」を先生に依頼。
- 口頭アドバイスを忘れてしまう傾向があるため、紙に書いて残すように教師に指示しました。
学習習慣・宿題管理についての改善提案
- トライからはこの時点で宿題を出していませんでしたが、日能研の課題が難しく負担になっているため、 今後はトライで無理のない範囲で補完的な課題を出すことも検討。
- 育成テストのやり直しを捨ててしまうことがあったため、きちんと保管して家庭や教育プランナーと共有できるよう指導。
保護者とのやり取りと今後の方針
お父さまからは「効率のよい勉強法は?」というご質問がありました。
私は、「授業を追加するのも一つの手だが、まずは自学の質を高めることが重要」とお伝えしました。
目標との差が大きい場合に限り、授業追加も視野に入れるというスタンスでご納得いただきました。
Rさん本人はまじめで遊びはほぼせず、日能研の先生の指導も素直に受け入れている点が強みです。
志望校選びとアドバイス
この時期のRさんの志望校に関しては、以下のような条件が重視されています:
- 将来は理系の大学に進学したい
- 部活は水泳やバドミントンを希望
- 偏差値平均50程度の学校
- 3科目受験が可能な共学校が理想
特に立命館宇治は、社会不要で3科目受験が可能なため有力候補として検討されており、自己推薦を狙うには6年生での通知表アップが必須。
私は、ご家庭に対して「説明会やプレテストにはすべて参加するべき」と強く提案し、他の生徒の成功例を交えて説明しました。
お父さまには、各校の特徴をまとめた資料をメールで送付。
「不明点はありません」と丁寧に返信をいただき、最終的には「本人が行きたいと思える学校を選ぶことを優先する」という方向で家庭の方針がまとまりました。



模試の結果と日能研での学習状況をもとに、指導内容を一つひとつカスタマイズしながら対応していきました。
6年生 秋|目標に向けたラストスパート
志望校の再検討とご家庭の温度差
6年生の秋、志望校を見直す時期を迎えたRさん。
ご家庭では、ご両親のスタンスにギャップがあることが引き続き課題となっていました。
お父さまは「できる限りレベルの高い学校を目指してほしい」というお気持ちが強い一方で、出張が多く、家庭で直接関われる時間が限られています。
対してお母さまは、志望校に強いこだわりがなく、「本人が通える学校であれば良い」というスタンスです。
そこで私は、ご家庭に「目標が低すぎると学習に本気になれず、かえって合格が遠のくことがある。高めの目標を持って受験に臨んだ方が、結果的に良い選択肢を引き寄せられる」と提案しました。
科目ごとの取り組み状況と課題の共有
- 算数:育成テストの共通問題は週に45分ほど取り組めており、一定のペースを維持。
- 国語:漢字の復習を毎日自分で行っており、漢字力は徐々に上がってきている。 トライの国語の先生は2週間に1回ペースでフォロー。
この時期、日能研の算数宿題が減ったことを受けて、「共通問題の対策はトライで引き受けてほしい」と日能研からの要望もありました。
一方で、算数の成績が横ばい状態で伸び悩み。
その背景には、Rさんが解法を忘れてしまうという問題がありました。
私は「解き方メモやノートに日付と単元を明記して記録し、すぐに見返せる状態を作ることが重要」と伝え、担当の先生にもその方法でノートを整えていただくよう指示しました。
模試結果と学習へのフィードバック
駸々堂模試では、算数が前回より22点アップするなど、努力が結果に結びついてきました。
しかし、他教科には以下のような課題も残されていました:
- 国語:文章を読み切れず時間ギリギリになることが多く、漢字・ことわざの得点率も低い。
- 理科:暗記系が得意というが、「植物」と「天気」の単元で理解が不十分。
そこで私は、過去問演習を計画的に実施し、特に苦手単元の洗い出しと再強化を徹底することをご家庭に提案しました。
お父さまからは、「もっとメリハリを持って、厳しく指導してほしい」というご希望があり、「生徒に流されず、先生が主導で授業を進めてほしい」とも言われました。
これを受け、教師への指導にもその意図を丁寧に伝え、授業設計に反映させました。



面談で聞いた保護者の方から要望は、教師の指導に反映させるようにしています。
入試直前の最終対応と本人の本音|12月の面談より
12月の面談では、いよいよ入試直前期の具体的な対策と、志望校の最終決定がテーマとなりました。
教師のランクアップと教え方の見直し
この時点で、お父さまのご希望により、算数の担当を社会人教師からプロ教師へと変更しました。
いよいよ入試が目前に迫る中で、過去問や応用問題への対応力を強化するため、より専門的な指導が求められる段階となってきたためです。
Rさん自身は「漢字と理数が得意」と話していましたが、実際には記憶力の良さに頼っている面が大きく、理解が浅いままの状態が目立つように感じられました。
さらに、「安心するとさぼる」「テストが悪いと叱られるため、ごまかす傾向がある」など、自己管理面の課題も浮き彫りに。
また、生徒からは算数の指導について、「プロの先生の説明が50%しか理解できない」「前の先生も70%わかりづらかった」という声が出てきました。
くわしく聞くと、プレテストの大問5・6あたりが理解できていないとのこと。
私は「分からないことはすぐに共有してほしい」と生徒に伝え、教師に改善依頼することを約束しました。
ただし、プロ教師は信頼できる方なので、「今の教え方が最も効果的な可能性もある。そのうえで、他の方法も一緒に模索してみよう」と声かけしました。
また、「質問して終わるのではなく、粘り強く理解しようとする姿勢が必要」と、生徒自身の取り組み方のアドバイスをしました。
国語の先生はわかりやすいし、アドバイス覚えていて実践できているようです。
志望校の最終決定と生徒の希望
このタイミングで、Rさんの最終的な志望校が決定しました。
- 第1志望:千里国際(偏差値52)
- 第2志望:関西大倉(偏差値44)
- 第3志望以下:
- 薫英(偏差値41)
- 京都聖母学院(偏差値39〜42)
- 平安女学院(偏差値39〜46)
- 龍谷大学付属平安(偏差値41)
生徒本人は「第一志望は立命館宇治が良かったが、最終的に行けるならどこでもいい。とにかく私立中に行きたい」という気持ちがはっきりしていました。
プレテストと入試結果
プレテスト結果
- 関西大倉
- A1:B判定
- A2:C判定
- C:C判定
- 京都聖母学院
- Ⅰ類:A判定
- Ⅱ類・GSC:B判定
- Ⅲ類:C判定
※ 立命館宇治については自己推薦に届かず受験見送り。
最終入試結果
残念ながら千里国際は不合格でしたが、以下の2校が合格となりました。
- 関西大倉(A2日程):合格
- 京都聖母学院:合格
関西大倉中学と京都聖母学院中学はいずれも国際交流やグローバル教育に力を入れており、お父さまのご希望にも合致しています。
また、関西大倉は、Rさんが志望校選びの条件としてあげていた共学と「バドミントン部があること」も満たしており、納得のいく進学先となりました。
合格した関西大倉中学について
関西大倉中学校(大阪府茨木市)は、偏差値44〜50の私立共学校で、難関国公立大学への進学を目指す六年一貫教育を実施しています。
2024年度は、国公立大学に現役・既卒合わせて217名が合格し、京大・阪大・神大などへの進学実績を誇ります。
中学3年から成績上位者による「Sクラス」を編成し、高校課程を早期に修了、演習中心のカリキュラムで応用力を育成します。
また、探究学習やICT教育、海外研修など多様な学びを通じて、生徒の個性と可能性を伸ばす教育をおこなっています。
最後に|教育プランナーとしての振り返り
この時期は、生徒の志望校と実力とのバランスを見極め、メンタルとモチベーションを維持しながら、本番力を高めるためのラストスパートを支えるフェーズでした。
生徒の素直さや努力は確かなものがありましたが、答え写しや言い訳などの傾向から、「自分に甘い」面をどうサポートするかが大きなテーマとなりました。
ご家庭の方針のズレや時間的な制約もある中で、教師・家庭・教育プランナーの三位一体のサポート体制で、Rさんの中学受験を無事に支えきることができたと感じています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。