「学校に行けていないけれど、高校には進学させたい」
「集団塾ではついていけなかった…家庭教師なら合うかもしれない」
発達障害や不登校の背景を持つお子さんの進路選びにおいて、「どうやって受験勉強を進めればいいのか」「どんなサポートが必要か」は、多くのご家庭にとって大きな悩みです。
この記事では、ADHDの特性と向き合いながら、フリースクールに通うYくんが家庭教師のトライのサポートを受けて高校受験に挑戦し、第一志望校に合格した実例をご紹介します。
不登校のお子さんに合った学び方を探している方や、家庭教師を検討中の方にとって、参考になる内容をまとめています。

家庭教師のトライの教育プランナーとして、600人以上のお子さんをサポートしました。
Yくんの入会の経緯と学習環境
ADHDの特性を理解し、学習サポート体制を強化
中学2年の3月、Yくんは家庭教師のトライに入会しました。
YくんにはADHD(注意欠陥・多動性障害)の特性があり、小学生のころからいじめや集団授業での理解の難しさなどを経験し不登校に。
現在はフリースクールに通いながら、少人数・個別対応の学習スタイルで高校受験を目指しています。
ご家庭ではすでに家庭教師のあすなろで学生教師(週2回・英数)を依頼していましたが、振り替えが多く授業がきちんと受けられていないためトライに移行してきました。
文系・理系それぞれにプロ教師を担当に据えた体制でのサポートがスタートしました。
特に理系の担当教師は、通信制高校サポート校「トライ式高等学院」でも教えているベテラン講師で、発達特性のある生徒への理解も深く、安心して任せられる存在です。
家庭教師のトライの発達障害の料金や口コミ評判について、くわしく解説しています。
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学習スタイルと本人の希望する進路
強いこだわりを持つYくんの個性に合わせた対応がカギ
Yくんは、発想や表現が非常に独特で、強いこだわりを持つタイプ。
一見、指導が難しそうに思われるかもしれませんが、読解力は高く、興味のあることには強い集中力を発揮します。
学習面では、その特性にうまく合わせながら、安心できる関係性の中で少しずつ学力を積み上げていくことが重要です。
現在の習い事はバスケットボールと体操。身体を動かすことも好きで、生活リズムを保つ助けにもなっています。
志望校と将来の夢
Yくんの高校進学にあたっては、ご家庭と本人の希望として、以下のような条件が挙がっています:
- 全日制の普通科高校に進学したい
- 大学進学を前提に、3教科受験が可能な学校
- 本人の社会性・学力に合わせて柔軟な対応ができる学校が望ましい
Yくんは将来、獣医になりたいという明確な夢を持っています。
そのきっかけは、幼いころに飼っていた鳥が亡くなったときに、自分が何もできなかったことへのくやしさと、そのさいに接した獣医のていねいな対応に感銘を受けたこと。
この体験が原動力となり、「人と動物のために役立ちたい」との思いが強くなったそうです。
初回指導と中学3年5月の面談|学習の土台づくりと課題の整理
模試の見直しから学習スタート|トライの教材と仕組みを活用
家庭教師のトライでの初回指導では、まず中学1年~2年1学期レベルの「進研Sテスト」をYくんに受けてもらい、これまでの学習の理解度をチェックしました。
その結果をもとに、苦手単元の見直しや今後の学習計画を立て、学年をさかのぼっての復習をスタート。
トライでは、映像授業「トライイット」やAIを活用した「トライ式AI教材」も利用できるため、理科や社会の知識の定着にもデジタル教材を活用。
トライ式AI教材の毎週チェックを利用して、さかのぼり学習をおこなうよう提案。
なお、お母様からは「生徒が慣れてきたら、少し厳しめに指導してほしい」というご要望もあり、今後の接し方のバランスも共有しました。



お子さんのことはお母様が一番よく知っているので、くわしく聞いて今後の指導に反映していきます。
5月の面談で見えてきた課題と可能性
中学3年生となった5月には、指導方針や学習状況について保護者面談を実施しました。
まず、当日キャンセルや振替のルールについて再確認し、通常授業のキャンセルは2時間前、振替の連絡は前日の22時までにお願いすることをお伝えしました。
文系の授業では、英検5級の対策からスタートし、中1レベルのbe動詞、リスニング、マークシートの記入練習、自由作文、発音練習などに取り組んでいます。
Yくんは小4までインターナショナルスクールに通っていたこともあり、発音は非常に良く、英語には親しみを持っています。
理系では、方程式までの範囲を復習中で、宿題は1日1ページのペースで出しています。
本人に授業の感想をたずねると、「問題ない」と答えており、講師との関係性も良好です。
ただし、話し始めると止まらないことがあるのはYくんの特性のひとつで、授業中の集中をどう保つかは今後の継続課題です。
また、お母様が宿題を忘れたことを叱ると、やる気が下がってしまう場面もあり、声かけのトーンやかかわり方についても調整が必要です。
現在は、以前通っていた習い事(バスケ・体操)をやめ、時間的には受験勉強に集中できる体制が整ってきました。
英検・模試・志望校の見直しと今後の学習方針
英検は6月23日に受験予定。
5月には五ツ木模試も受験できました。本人いわく、「国語・理科・社会はボロボロだったが、英語と数学には手応えがあった」とのこと。
当面の目標は、偏差値45の達成。
志望校については、以下の候補があがっています:
- アサンプション国際高校(偏差値44〜55/アカデミックコースを視野に)
- 香里ヌヴェール学院高校
- 大阪高校
ただし、5~7月の五ツ木模試は「場慣れ」として活用し、本格的に結果を見て志望校判断を行うのは9月以降という方針でご家庭と共有しました。
また、フリースクールへの通学はその日の気分によって行くかどうかを決めている状況で、欠席理由があいまいになりがちです。
今後は、「模試の結果を踏まえて志望校を判断していく」ことを本人とご家庭に丁寧に伝え、学習への主体性を引き出していくことが必要です。
7月の面談と五ツ木模試の振り返り|英語力を軸に進路を見直す
初めての模試で健闘、英語には手応え
7月の面談では、5月に実施した五ツ木模試の結果の振り返りと、今後の進路や学習計画についての話し合いを行いました。
1回目の模試では以下のような結果でした:
- 英語:42.2
- 数学:35.7
- 国語:32.4
- 理科:31.4
- 社会:39.95
- 5教科平均:34.2
英語については50%以上の得点率で記述も書けており、初回にしては健闘した結果となりました。
特にリスニングや語彙力の面では、小学校時代のインターナショナルスクールでの経験が生かされている印象です。
今後の英検と志望校に関する方針
今後の方針としては、英検準2級を目指すことに決定。
7月14日に実施される2次試験に向けて、面接対策や表現練習に取り組む予定です。
志望校については、本人・保護者それぞれの希望が少し異なっており、それぞれの想いに耳を傾けながら進路を整理しています。
- お母様の希望:「フリースクールのような雰囲気があり、スピーチなどで評価される学校」
- 本人の希望:アサンプション国際高校
アサンプション国際高校は、英検3級を取得していれば入試において60%換算される制度があり、Yくんにとって有利な選択肢です。
また、香里ヌヴェール学院高校も3科目入試+英検3級70%換算の制度があるため、説明会への参加をおすすめしました。
Yくんは、「獣医になるには3浪までが限度」と話していましたが、私からは、まずは“現役合格を目指す”ことの大切さをていねいに伝えました。
学習への向き合い方と生活リズムの見直し
今後の学習スタイルとしては、自分で調べ学習をし、わからないところは家庭教師に質問する形式で、自学の力も育てていく方針です。
また、お母様からは「午前中に起きられないことが続いており、生活リズムを整えるために、午前中に指導してもらえないか」というご相談もありました。
これについては、担当教師とスケジュールのすり合わせを行い、可能であれば午前の時間帯に授業を組む方向で調整することになりました。
最終面談と受験結果|英検合格と志望校対策が実を結んだ
朝の学習習慣が定着し、大幅な偏差値アップ!
夏休みは、週4回、午前中からの授業スケジュールを取り入れたことで、Yくんの生活リズムが整い、朝型の学習習慣が定着しました。
もともと午前に起きることが難しいとされていたYくんでしたが、夏の取り組みを通じて無理のない早起きの習慣がつき、集中力のある時間帯に学習できる体制が整いました。
そして、9月に受験した五ツ木模試では前回から大幅に成績が上昇。
以下のような結果となりました:
- 英語:58.9
- 数学:50.5
- 国語:52.2
- 理科:27.1
- 社会:28.9
- 5教科平均:43.1(前回比+9.1)
特に英語は50%以上の正答率を安定してキープしながら、偏差値は58.9と得意科目として大きな武器に。
全体的にも基礎学力が定着し、志望校の合格圏内にしっかり入る結果となりました。
英検準2級合格とともに、第一志望に合格!
志望校は最終的に、香里ヌヴェール学院高校・アカデミーコースに一本化し、文系科目は英検準2級合格を目標に対策を集中。
この戦略が功を奏し、英検準2級にも無事合格することができました。
五ツ木模試での判定も大きく改善:
- アサンプション国際高校アカデミックコース:E判定 → A判定
- 香里ヌヴェール学院アカデミーコース:C判定 → A判定
そして見事、香里ヌヴェール学院アカデミーコースに合格。
本人の希望、家庭の安心感、指導体制のバランスがすべてかみ合った結果となりました。
合格した香里ヌヴェール学院高校について
香里ヌヴェール学院高等学校のアカデミーコース(SAC)は、偏差値56の私立共学校で、探究学習やICT教育に力を入れています。
2025年度の大学合格実績では、大阪教育大学や滋賀大学などの国公立大学に5名、関西学院大学13名、関西大学9名、近畿大学13名など、関関同立や産近甲龍への多数の合格者を輩出しています。
また、海外大学への進学実績もあり、グローバルな視野を育む教育が特徴です。 生徒一人ひとりの個性を尊重し、主体的な学びを支援する校風が魅力です。
最後に|教育プランナーの振り返り
Yくんは、ADHDの特性がある中でも、自分のペースと意思を大切にしながら、着実に努力を積み重ねてきました。
学校や習い事、集団生活の難しさから、不登校や学習への不安があった時期もありましたが、家庭教師という個別に寄り添える環境が、Yくんには非常に合っていたと感じています。
ご家庭とも連携しながら、英語を軸にした受験戦略を立て、本人の希望を尊重しつつ着実にゴールへ導けたことは、教育プランナーとしても非常にうれしく思います。
香里ヌヴェール学院高校に合格後も、家庭教師のトライの指導は週2回継続していくことが決まっています。
Yくんの将来の夢である「獣医になること」に向けて、これからも一歩ずつ前に進んでいってくれると信じています。
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最後までお読みいただきありがとうございました。