中学受験は、成績だけでなくお子さん一人ひとりの個性や特性に寄り添うことがとても大切です。
今回ご紹介する辻さんは、小学4年の冬にトライに入会。発達の特性を持つ生徒さんで、人見知りが強く、授業を始める前に、安心して取り組めるような工夫が必要でした。
教育プランナーの私は、ご家庭・教師と連携しながら、無理なく自学習の習慣を育て、志望校である常翔啓光学園中学校へ合格をサポートしました。
その取り組みの記録を振り返ります。

家庭教師のトライの教育プランナーとして、600人以上のお子さんをサポートしました。
小4・12月入会:特性に応じた学習スタート
人見知りの強さと授業前の工夫
辻さんがトライに入会したのは小学4年生の12月。
学習障害とASD(自閉症)の特性があり、人見知りが強いため、授業前にかくれんぼをしてから学習に入るなど、心理的な距離を縮める工夫を行いました。
指導はプロ教師が週1回60分、算数と国語を担当。放課後は発達支援のデイサービスにも通っていました。
家庭教師のトライが中学受験におすすめできる理由と料金について、くわしく解説しています。
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教材と学習方針の調整
使用教材は、図形中心の中学受験プリントや『出口式システム国語』、『語彙力アップ1300』など。
敬語は薄めのテキストで対応。漢字の画数が苦手だったため、『合格トレイン』を使って漢字と文法を強化しました。
英語は好きで、社会は苦手。
耳からの情報が定着しにくく、気が散りやすい傾向があったため、視覚中心の教材選びと、反復の多い指導を心がけました。
また、環境によって集中力が続かないこともあり、不注意による抜けやミスが目立つ場面もありました。そのため、授業中の声かけや復習の仕方にも工夫を加えました。
学校では英語・算数・理科が担任の先生ではないことが負担になっており、週に1日は学校を休むペース。休んだ分はまとめてテストを受けていました。
志望校と目標偏差値
志望校は常翔啓光学園中学校。
偏差値47〜52を必要とする学校ですので、偏差値50をまず目標としました。
生徒本人は「中学受験をしたい」と意欲を見せていましたが、お母様は「課題の量をこなせるかが心配」と不安も感じておられました。
小5後半〜小6前半:テスト慣れと基礎固めの時期
模試の成果と意識の変化
進研Sテストでの算数の点数は、小5の6月に30点→50点、さらに小6で54点へと着実に上がってきました。
常翔啓光学園の判定もEからCへと上昇しました。
ゴルフと英語の習い事と並行しながら、授業への抵抗感も減っていき、宿題にも前向きに取り組めるように。
特に分数の単元は、重点的な対策が効果を発揮し、学校のテストでは80〜90点を記録。
偏差値も安定し始め、今後はテスト慣れによる対応力アップが次の課題になりました。
ご家庭の意識と学習方針の共有
お母様からは「中高一貫で進んだ後は専門学校も視野に入れて就職を」とのご希望もあり、教育プランナーとしても長期的な視点での学習方針を提案。
「今はまず中学を見据えて基礎固めを」という方針が共有されました。
やり直しと反復による定着
進研Sテストでは、算数の計算力が安定し、途中式を丁寧に書くこと、見直しを習慣化することがポイントに。
国語は総画数の確認が必要で、漢字や知識問題の対策も継続。
家庭では、お母様がやり直しをサポートしてもらうようお願いしました。
やり直しのミスの原因を把握するために以下の2点を徹底。
- 間違えた問題をもう一度解く
- できなかった部分を担当教師に必ず報告すること



この繰り返しが理解を定着させることができます。
小6後半:自学の習慣と合格への仕上げ
プレテストでB判定を獲得
小6・11月、常翔啓光学園中のプレテストでは、国語56点・算数32点でB判定を獲得。
まだ波はあるものの、実力は少しずつ形になってきていました。
自学の習慣と学習姿勢の変化
12月には、算数・国語ともに90分ずつ勉強できるようになり、自学の習慣が定着。
算数はヒントがあれば解けるようになり、計算力も向上。細かなケアレスミスも減ってきました。
進研Sテストでは、2科目偏差値36➡54に上がりました。
一方で国語の記述問題ではまだ得点が伸び悩み、今後の課題として残りました。
合格とその後への展望
最終的に、常翔啓光学園中学校に合格!
お母様とお父様は今後の進路についても相談を重ねながら、お子さんの特性に合った環境選びを大切にされていました。
合格した常翔啓光学園中学校について
常翔啓光学園中学校(大阪府枚方市)は、偏差値41〜49の私立共学校で、中高一貫教育を提供しています。
「特進選抜コース」では、国公立大学や医歯薬系大学への進学を目指し、英語・理数教育に力を入れています。
また、学園内の大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学への進学も可能です。
最新のICT教育や企業連携授業、クライミングウォールなど充実した施設を活用し、主体的な学びとキャリア形成を支援しています。
最後に|教育プランナーとしての気づき
辻さんのように、特性を持つお子さんが中学受験に挑戦する場合、学力そのものだけでなく、学習環境や心の安定、家庭との協力が何より重要です。
教育プランナーとして、教師との連携だけでなく、ご家庭と「どんなペースで」「どんな方法で」取り組むかを常に確認し、安心できる学習の土台づくりを意識してきました。
Tさんの合格は、その連携がうまく機能した結果でした。
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最後までお読みいただきありがとうございました。