帰国生入試を実施している中学校は、首都圏にも数多くあります。ただ、校名を並べた一覧を見るだけでは、わが家が実際に受験できる学校までは分かりません。
帰国生入試では、海外にいた期間や帰国後の期間だけでなく、保護者の海外勤務・帯同の有無、在籍していた学校、帰国日の基準、入学後の居住条件なども学校ごとに異なるからです。
この記事では、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の主な帰国生入試実施校を、入試時期と出願資格の確認ポイントとあわせて紹介します。そのうえで、一覧から志望校を絞り込む手順も解説します。
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※入試情報は、2026年10月3日時点で確認できた2027年度入試の各校公式情報を優先して掲載しています。日程・出願資格・試験科目は変更される可能性があるため、出願前には必ず最新の募集要項を確認してください。
帰国生入試の一覧は、まず「海外滞在年数」と「帰国後の年数」で絞る

学校一覧を見る前に、まず確認したいのが海外滞在年数と帰国後の年数です。
2027年度入試でも、「海外に1年以上」「帰国後3年以内」を一つの基準にしている学校が複数あります。一方で、海外在住2年以上を求める学校や、「小学4年生以降に帰国」のように別の基準を設ける学校もあります。
そのため、この2つは受験校を最初に絞るための目安と考えてください。
- 海外滞在年数:1年以上を条件にする学校が多い一方、2年以上を求める学校もある
- 帰国後の期間:3年以内を条件にする学校が多い一方、基準日の考え方が異なる学校もある
- 保護者の条件:海外勤務への帯同を条件に含める学校がある
- 在籍校・居住条件:現地校・インターナショナルスクール・日本人学校の扱いや、入学後の居住条件も学校ごとに異なる
たとえば海外に1年半滞在し、帰国から2年のお子さんなら、「海外1年以上・帰国後3年以内」を条件にする学校では期間の条件を満たす可能性があります。
ただし、保護者の海外勤務への帯同など、ほかの条件もあるため、期間だけで「受験できる」と判断しないことが大切です。
| わが家の状況 | 次に確認すること |
|---|---|
| 海外1年以上・帰国後3年以内 | 保護者の帯同条件、在籍校、帰国日の基準を確認 |
| 海外2年以上・帰国後3年以内 | 2年以上を求める学校も含めて候補を確認 |
| 帰国後3年を超えている | 帰国後の期間を別の基準で定める学校や一般入試も確認 |
| 現在も海外在住 | 海外会場・オンライン受験・現在海外在住者を認める学校を確認 |
| 海外滞在が1年未満 | 帰国生枠だけでなく一般入試・英語利用入試なども確認 |
首都圏の主な帰国生入試実施校|2027年度の入試時期と資格の確認ポイント
ここでは、2027年度入試について公開情報を確認できた学校の中から、主な学校を共学・女子校・男子校に分けて紹介します。
以下はすべての実施校を網羅した一覧ではありません。また、表では資格を簡略化しています。実際には保護者の海外勤務、在籍校、国籍、帰国日の基準など細かな条件があるため、必ず各校の募集要項を確認してください。
共学校
| 学校名 | 所在地 | 主な入試時期 | 資格の確認ポイント |
|---|---|---|---|
| かえつ有明 | 東京 | 11月・12月 | 海外1年以上/帰国後3年以内/保護者の海外勤務等の条件あり |
| 栄東 | 埼玉 | 11月・1月 | 海外1年以上/帰国後3年以内を基本に要項確認 |
| サレジアン国際学園世田谷 | 東京 | 11月・12月 | 出願前に学校所定の出願資格確認が必要 |
| 芝国際 | 東京 | 11月・12月 | 帰国生入試あり。コース・資格条件を募集要項で確認 |
| 城西大学附属城西 | 東京 | 12月・1月 | 海外在留歴・帰国時期・居住条件などを要項で確認 |
| 帝京 | 東京 | 11月(海外)・12月(国内) | 海外の学校で1年以上/帰国後3年以内/保護者の海外勤務等の条件あり |
女子校
| 学校名 | 所在地 | 主な入試時期 | 資格の確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 大妻中野 | 東京 | 11月・12月 | 保護者の海外勤務等への帯同/継続1年以上/帰国時期の条件あり |
| カリタス女子 | 神奈川 | 12月・2月 | 海外在住歴または国内インターナショナルスクール在籍歴などを確認 |
| 共立女子 | 東京 | 11月 | 海外帰国生入試を実施。詳細な出願資格は募集要項で確認 |
| 佼成学園女子 | 東京 | 11月・12月・1月 | 海外滞在1年以上/帰国後3年以内を基本に個別確認。海外在住者はオンライン受験可 |
| 頌栄女子学院 | 東京 | 12月 | 保護者の転勤に伴う海外在住1年以上/海外の学校に1年以上/原則帰国後3年以内 |
| 湘南白百合学園 | 神奈川 | 12月 | 海外の学校に通算1年以上在学/帰国時期の条件あり |
| 昭和女子大学附属昭和 | 東京 | 11月 | 保護者の海外勤務に帯同して海外在住1年以上/帰国後3年以内 |
| 田園調布学園 | 東京 | 11月 | 海外の学校に通算1年以上/小学4年生以降の帰国 |
| 東京女学館 | 東京 | 11月 | 海外生活1年以上/帰国後3年以内を基本に確認 |
男子校
| 学校名 | 所在地 | 主な入試時期 | 資格の確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 海城 | 東京 | 1月 | 指定期間内に通算2年以上海外在住/帰国日の条件あり |
| 攻玉社 | 東京 | 1月 | 海外在住1年以上/帰国後3年以内 |
| 城北 | 東京 | 1月 | 2027年度から帰国生選抜を新設。海外在住1年以上などの条件を確認 |
このほかにも、渋谷教育学園渋谷・渋谷教育学園幕張、広尾学園、慶應義塾湘南藤沢中等部、洗足学園など、帰国生入試や帰国生向けの選考を行う学校があります。
表は学校を決めるためではなく、候補を探すための入口として使ってください。
帰国生入試は11月〜12月に大きな山がある
2027年度入試を見ると、帰国生入試は一般入試より早い時期から始まります。
- 11月:海外会場や国内の帰国生入試が本格的に始まる
- 12月:国内の帰国生入試が多く実施される
- 1月:海城・攻玉社・城北など、1月に帰国生入試を行う学校もある
- 2月:一般入試や、帰国生も受験できる別方式を組み合わせられる学校がある
この時期の違いは、準備の順番にも影響します。
11月の入試を受ける場合は、秋には募集要項を確認し、海外在留証明書、成績資料、英語資格の証明書など、必要な書類の準備を始める必要があります。
「試験勉強はしていたけれど、出願書類が間に合わない」状態にならないよう、試験日だけでなく出願締切から逆算してください。
一覧から志望校を絞る3つの基準

受験資格を満たす学校が見つかったら、次は「どこを受けるか」を絞ります。
見るポイントは、入試科目・日程・入学後の学習環境の3つです。
基準1:入試科目がお子さんの強みと合うか
帰国生入試の試験科目は学校によって大きく異なります。
英語・作文・面接を重視する学校もあれば、国語・算数を中心に選考する学校、英語資格を利用できる学校もあります。
そのため、「帰国生だから英語入試」と最初から決めないことが大切です。
英語が強いなら英語を使える方式、日本語の読み書きや算数が安定しているなら国語・算数型というように、お子さんの現在の力と試験方式を照らし合わせます。
ここで、私がトライのオンライン個別指導で教育プランナーとして学習面談を担当した事例を紹介します。個人が特定されないよう、居住地・帰国時期・志望校など一部の条件は抽象化しています。
あるご家庭では、帰国時期がまだ決まっておらず、当初は帰国生入試を中心に考えていました。
しかし、普段の英語学習や模試の結果、検討していた学校の試験方式を整理すると、英語を主な得点源にするより、国語・算数を生かせる入試も並行して検討したほうがよいと判断できました。
そこで英語を使う入試だけに絞らず、国語・算数で受けられる方式も候補に加えました。
帰国時期によって中学受験と編入の両方が候補になる場合もあります。そうしたときは、英語を軸にするのか、国語・算数を軸にするのかを早めに整理すると、学習計画を立てやすくなります。
国語の不安が大きい場合は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 帰国子女の国語がついていけない原因と、学年別の立て直し方
基準2:日程を組み合わせて受験機会を確保できるか
第一志望が決まっていても、受験できる学校や方式を1つだけに絞りすぎないことも大切です。
帰国生入試は11月・12月・1月と試験日が分かれており、学校によっては帰国生入試の後に一般入試を受けられる場合もあります。
ただし、複数受験できるか、帰国生入試と一般入試を併願できるかは学校によって異なります。受験料や入学手続期限も含めて確認してください。
別の学習面談では、通学条件と英語教育の環境を重視した結果、候補が実質的に1校に近い状態になっていたご家庭がありました。
保護者の方が不安に感じていたのは、「第一志望が不合格だった場合に、次に受ける学校がない」という点です。
そこで、希望条件そのものをすぐに変えるのではなく、作文・面接を使う入試や英語を利用できる方式など、学校名だけでなく受験方式まで広げて候補を確認しました。
希望条件を増やすほど候補校は少なくなります。最初から1校に決めるより、受験資格を満たす学校と試験方式をいったん広めに出してから絞るほうが、選択肢を残しやすくなります。
基準3:入学後の学習環境がお子さんに合うか
入試に合格できることと、入学後に無理なく学べることは別です。
学校によって、英語力別授業、帰国生向けの取り出し授業、英語資格対策、日本語科目のフォローなど、入学後の体制は異なります。
私が担当したご家庭からも、入学後に日本語で学ぶ国語・社会などに慣れるまで時間がかかったという相談がありました。
学校説明会では英語の授業だけでなく、次の点も確認しておくと安心です。
- 帰国生と一般生で授業が分かれる科目はあるか
- 英語力別クラスはどのように決まるか
- 国語・社会など日本語で学ぶ教科の補習はあるか
- 入学後に英語力を維持・伸長できる仕組みがあるか
一覧では見落としやすい3つの確認ポイント
「海外1年以上」「帰国後3年以内」といった数字だけを見ていると、見落としやすい条件があります。
- 帰国日の基準:試験日・出願日・特定の日付など、学校によって基準が違う
- 海外滞在の数え方:保護者の海外勤務への帯同が必要か、通算か継続か、在籍校の種類を問うかが異なる
- 英語資格の扱い:出願条件、加点、得点換算、試験免除など学校によって使われ方が違う
たとえば「海外1年以上」という同じ表現でも、単純に海外に住んでいればよいとは限りません。
気になる学校が見つかったら、必ず募集要項の「出願資格」を最初から最後まで確認してください。条件に当てはまるか判断しにくい場合は、出願前に学校へ問い合わせるのが確実です。
英語資格をどう準備するかは、こちらにまとめています。
▶ 帰国子女のTOEFL iBT・IELTSは何点必要?進学先別の目安
海外にいる間に、何から始めるか

志望校の方向が見えてきたら、次に行うのは出願資格の確認と、受験科目の不足部分の洗い出しです。
帰国生入試は11月〜1月に行われる学校も多いため、小6になってから志望校を決めると、受験科目によっては準備期間が短くなります。
私が担当したご家庭でも、帰国や受験を具体的に考え始めてから確認すると、日本の中学受験で必要な算数の単元が十分に定着していないことが分かるケースがありました。
海外の学校と日本の学校では、算数・数学の単元を扱う順序や内容が異なります。そのため、学年だけで判断せず、実際にどの単元を学習済みか確認してください。
海外にいる間から受講できる家庭教師は、こちらで比較しています。
▶ 帰国子女におすすめのオンライン家庭教師5選|専門塾・現地塾との違いも解説
海外在住中から帰国後の受験まで継続して相談したい場合は、トライのオンライングローバル校も選択肢の一つです。
教師とは別に教育プランナーがつき、定期的な学習面談で学習進捗を確認しながら、国内の教育情報や帰国後の進路について情報共有・相談ができる体制があります。
▶ トライのオンライン個別指導|海外在住・帰国生向けの料金・特徴・口コミ
よくある質問
Q. 海外滞在が1年未満でも、帰国生入試は受けられますか?
学校によります。2027年度入試でも「海外1年以上」を条件にする学校が複数ありますが、すべての学校が同じ条件ではありません。
1年未満の場合は、帰国生入試だけでなく、一般入試・英語利用入試・国際系入試なども含めて確認してください。
Q. 帰国後3年を過ぎていても受験できますか?
受験できる学校はあります。
学校によっては「帰国後3年以内」ではなく、「小学4年生以降に帰国」のように別の基準を設けています。3年を過ぎている場合も、最初から帰国生入試を諦めず、各校の出願資格を確認してください。
Q. 帰国生入試と一般入試は、両方受けられますか?
両方受験できる学校もありますが、扱いは学校ごとに異なります。
帰国生入試と一般入試の併願可否、再受験の可否、検定料、入学手続期限まで募集要項で確認してください。
Q. 一覧に載っていない学校は、帰国生を受け入れていませんか?
そうとは限りません。
帰国生専用の入試を設けていなくても、一般入試や英語利用入試で受験できる学校があります。また、中学在学中に帰国する場合には、転入・編入試験を実施する学校もあります。
転入・編入は募集学年・時期・人数が限られる場合があるため、帰国時期が中学入学後になる可能性があるご家庭は、早めに学校へ確認してください。
まとめ|学校名より先に「受験できる条件」を確認する
首都圏の帰国生入試実施校を探すときは、学校名や偏差値から見るのではなく、まずわが家の条件で受験できる学校を絞ることが近道です。
- まず海外滞在年数と帰国後の期間を確認する
- 保護者の海外勤務・帯同、在籍校、帰国日の基準なども確認する
- 2027年度は11月〜12月に多くの帰国生入試が行われ、1月にも主要校の入試がある
- 候補校は入試科目・日程・入学後の学習環境で絞る
- 帰国生入試だけでなく、一般入試・英語利用入試・転編入まで含めて選択肢を見る
海外在住中は、日本の学校情報が入りにくいため、「帰国生だからこの学校」「英語が話せるから英語入試」と決めてしまいがちです。
しかし実際の面談では、英語より国語・算数を生かしたほうがよいご家庭もあれば、通学条件を優先した結果、受験方式を広げる必要があるご家庭もありました。
大切なのは、お子さんの現在の力とご家庭の条件を先に整理し、そのあとで学校を選ぶことです。
※本記事で紹介した面談事例は、筆者が教育プランナーとして実際に担当した相談をもとにしています。個人が特定されないよう、居住地・学校名・帰国時期・志望校など一部の条件を抽象化しています。
※学校別の日程・出願資格は、2026年10月3日時点で確認した2027年度入試情報をもとにしています。出願前には必ず最新の募集要項をご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。




