「四谷大塚のSクラスの基準を知りたい」
「週テストでは点が取れているのに、組分けテストになるとSに届かない」
「Sクラスはやっぱり難しいのか、うちの子には無理なのか」と悩んでいませんか。
結論からいうと、Sを目指すときにまず確認すべきなのは、「Sクラス」と「Sコース」のどちらの話をしているのかです。この2つは決まり方も、変えられるかどうかもまったく違います。
ここを混同したまま対策を立てると、努力の方向がずれてしまいます。実際、「あと少しで届きそうなのに毎回上がらない」というご相談の多くが、この取り違えか、週テストの偏差値を基準にしてしまっていることが原因でした。
私は塾講師と家庭教師のトライの教育プランナーとして、600人以上のお子さんの学習相談を担当してきました。上のコースに上がれたご家庭に共通していたのは、直前に詰め込むのではなく、5週間の使い方を最初に決めていたことです。
この記事では、SクラスとSコースの違い、それぞれの基準、Sが難しいと言われる構造的な理由、上がれない原因、5週間の進め方、そしてSでなくても難関校に届くのかまで解説します。
読み終えたときには、「今どこを目指していて、次の5週間で何をするのか」がはっきりしているはずです。
まず確認|「Sクラス」と「Sコース」は別のものです
四谷大塚をはじめとする予習シリーズ系列の塾には、ランク分けが2種類あります。ここが混同されやすい最大のポイントです。
| Sコース | Sクラス(S組) | |
|---|---|---|
| 意味 | 週テストでどの難度の問題を受けるかの区分 | 普段授業を受ける教室の分け方 |
| 区分 | S・C・B・Aの4段階 | S組・1組・2組…(校舎により異なる) |
| 決まり方 | 組分けテストの結果 | 校舎の判断 |
| 基準 | 全体で共通 | 校舎ごとに異なる |
| 変更の余地 | テストの結果のみで決まる | 校舎の判断で変わることがある |
Sコースは組分けテストの結果で決まる週テストのレベル区分です。一方、普段授業を受けるS組などのクラス編成は校舎によって異なるため、具体的な基準は在籍校舎で確認する必要があります。
そのため、S組の中にSコースの子とCコースの子が混在することもあります。「S組に入れたのにSコースではない」という状況は、矛盾ではなく通常起こりうることです。
ご家庭で目指しているのがどちらなのかを、まず確認してください。目指す先が違えば、次にやることも変わります。
四谷大塚Sクラス・Sコースの基準|組分けテストと校舎基準の違い

四谷大塚で「S」と呼ばれるものには、週テストの難度を決める「Sコース」と、普段授業を受ける「S組(クラス)」があります。基準が異なるため、まず分けて考えましょう。
Sコースは組分けテストの結果で決まる
Sコースは、公開組分けテストの結果によって決まります。毎週の週テストで高得点を取っても、それ自体でコースが上がるわけではありません。
週テストはその週の理解度を確認するもの、組分けテストは次のコースを決めるものと役割を分けて考えると分かりやすいでしょう。
また、週テストと組分けテストでは問題や比較される集団が異なるため、偏差値をそのまま比べることはできません。「週テストで偏差値60だからSまであと少し」と判断せず、組分けテストの得点と、その回のSコース基準点との差を確認してください。
2026年Sコース基準点|最新の組分けボーダー
Sコースの基準点は固定ではありません。テストの難易度や平均点によって、毎回ボーダーが変わります。
2026年8月時点で確認できるSコースの基準点は、次のように推移しています。
| 学年 | 第1回 | 第2回 | 第3回 | 第4回 |
|---|---|---|---|---|
| 小4 | 461点 | 407点 | 405点 | 417点 |
| 小5 | 421点 | 428点 | 420点 | 413点 |
| 小6 | 426点 | 422点 | 426点 | ― |
※小4・小5・小6の組分けテストは4教科550点満点です。小6は実施時期が小4・小5と異なります。数値は公開されている外部集計をもとにしているため、最新の基準は受験後の成績資料で確認してください。
たとえば小4は、第1回461点に対して第2回407点、第3回405点と、同じSコースでも回によって50点以上差があります。小5も421点、428点、420点、413点と動いています。
そのため、「前回420点だったから今回も420点ならS」と考えるのではなく、受験した回のボーダーとの差を確認することが大切です。基準まであと10点程度なら、難問を増やすより、計算ミスや漢字・語句、正答率の高い基本問題の取りこぼしを減らす方が現実的です。
組分けテストのボーダーや点数の詳しい見方は、こちらで解説しています。
S組(クラス)の基準は校舎によって異なる
一方、普段授業を受けるS組などのクラス編成は、校舎によってクラス数や基準が異なります。そのため、ネットで見かける「S組は偏差値〇〇」という情報を、そのまま自分の校舎に当てはめることはできません。
通っている校舎では、次の点を確認しておきましょう。
- クラスは何段階あり、S組はどの位置づけか
- 直近の成績では、S組までどの程度の位置にいるか
- クラス替えでは、どのテストや成績を重視しているか
- 今のクラスでは、どの教材・問題まで優先すべきか
特に2つ目と3つ目を確認しておくと、「Sに上がりたい」という漠然とした目標から、次のテストで何を改善すればよいのかまで具体化できます。
四谷大塚のSクラスが難しいと言われる4つの理由

「Sは難しい」と言われるのは、お子さんの努力不足ではなく、仕組みとして難度が上がるようにできているからです。理由を知っておくと、対策の立て方が変わります。
理由① 組分けテストは範囲が広く、直前対策が効きにくい
組分けテストでは原則、前4週分が範囲になります。決して狭くはありません。
そのため、テスト前の数日で一気に詰め込もうとしても間に合わず、負荷だけが高くなります。Sを目指すなら、毎週の積み重ねが前提になるのはこのためです。
理由② 週テストの手応えが基準にならない
前章のとおり、週テストと組分けテストでは母集団が違います。今のコースで良い偏差値が出ていても、それは同じコースの中での位置にすぎません。
この差を知らないまま「あと少し」と思って対策すると、毎回届かず、努力が報われていないように感じてしまいます。難しさの正体の多くは、実はこの認識のズレです。
理由③ 上のコースほど人数が絞られる
組分けテストは学年や時期によって数千人規模が受験し、その結果でS・C・B・Aに振り分けられます。当然、上位コースの枠は限られます。
しかも、上を目指しているのは自分の子だけではありません。周囲も同じように対策を進めているため、同じ努力量では位置が変わらないことがあります。
理由④ 基本理解だけでなく演習で得点に変える必要がある
四谷大塚では予習シリーズに加えて、演習問題集などの必修副教材があります。Sを目指すなら、内容を理解しただけで終わらず、演習を通して自力で解ける状態まで持っていく必要があります。
ただし、基礎が不安定な段階で最難関問題集などの難問を増やす必要はありません。
Sクラスに上がれない5つの原因

原因① 組分け前だけ詰め込んでいる
範囲が3〜4週分ある以上、直前対策では埋まりません。5週間のうち、どこで何をするかを最初に決めることが必要です。
原因② 週テストを受けっぱなしにしている
週テストは、間違えた問題を翌週までに直してこそ、組分けの得点につながります。直しが残ったまま次の週に進むと、同じ失点が組分けで再現されます。
原因③ 正答率の高い問題を落としている
上位コースを目指すときほど難問に目が行きますが、実際に差がつくのは計算問題や一行問題、漢字・語句といった取れるはずの部分です。
Sクラスの基準との差が小さい場合は、正答率の高い問題の取りこぼしを数問減らすだけで届くこともあります。
原因④ 苦手単元を持ち越している
組分けテストは範囲が広いため、過去の苦手単元がそのまま出題されます。毎週の学習に追われて戻れていないと、同じ単元で失点し続けます。
原因⑤ 家庭の管理負担が限界に来ている
予習・週テスト・直し・組分け対策が同時に進むため、保護者の負担は大きくなります。丸付けと質問対応を全部抱えると、平日の夜が破綻します。
この場合、必要なのは頑張ることではなく、担う範囲を減らすことです。
Sクラスを目指す5週間の進め方

4・5年生では、おおむね5週単位で組分けテストが行われます。この1サイクルをどう使うかで結果が変わります。6年生は組分けテストの回数が減り、後半は合不合判定テストや志望校対策の比重が高くなるため、同じ5週間型で考えないことも大切です。組
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 前回の組分けを見直し、繰り返し落としている単元を1〜3個に絞る |
| 2〜4週目 | 毎週の学習+週テストの直しを翌週までに完了させる。1日15分だけ戻り学習に充てる |
| 毎回のテスト後 | 取れたはずの問題(計算ミス・漢字・読み違い)だけ当日中に直す |
| 5週目前半 | この5週間で印をつけた問題だけを解き直す |
| 直前 | 新しい問題に手を出さない。ミスの型だけ確認する |
ポイントは、直前に新しいことをしないという一点です。範囲が広い以上、直前に手を広げると、どれも中途半端になります。
また、演習問題集など上のレベルの教材に進むのは、基本問題を自力で説明できる状態になってからにしてください。順番を逆にすると、量だけ増えて点数は動きません。
小4|サイクルを整えることを優先する
4年生は、Sを急ぐより「予習→授業→復習→週テスト→直し」が1周できているかを見る時期です。計算練習を毎日続け、基本問題を落とさない状態を目指しましょう。
小5|苦手単元を持ち越さない
5年生は割合・比・速さ・図形で差がつき、Sを目指す意味が大きくなる時期です。ここで苦手を残すと、6年で取り返すのが一気に難しくなります。
クラスアップを急いで難問に走るより、繰り返し落としている単元に戻るほうが、結果的に近道です。
小6|志望校とのバランスを見る
6年生は、コース維持より志望校の出題傾向に合った対策が優先されます。組分け対策に時間を使いすぎて過去問や記述対策が後回しになっていないか確認してください。
Sクラスに上がったあとのほうが大変なこともある
意外に語られませんが、Sクラスに上がることより、維持するほうが難しいと感じるご家庭は少なくありません。
Sコースの週テストは問題の難度が上がるため、これまでと同じ学習量では点が取りにくくなります。上がった直後に点数が下がり、お子さんが自信をなくしてしまうこともあります。
そこで、上がったときは次の点を意識してください。
- 最初の1〜2回は点数が下がるものだと、事前に伝えておく
- 難度が上がったぶん、全問正解を目指さない
- 基本問題の取りこぼしがないかだけを確認する
- 就寝時間を守れているかを最優先で見る
上のコースで苦しみ続けるより、今の位置で基礎を固めたほうが伸びるお子さんもいます。コースは目的ではなく、学習環境を選ぶための手段だと捉えてください。
Sクラスでなければ難関校は難しい?
これが、多くの保護者の方が本当に知りたいことだと思います。
結論としては、コースやクラスで合否が決まるわけではありません。入試で問われるのは、志望校の問題で合格点を取れるかどうかです。四谷大塚公式の2026年合格体験記にも、Sコースには一度も届かなかったものの女子学院中に合格した例があります。
ただし、上位コースの教材や演習内容が志望校の難易度に近い場合、Sにいることで対策の機会が増えるのは事実です。そのため、次のように考えると整理しやすくなります。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 志望校のレベルと今のコースが近い | コースにこだわらず、志望校の頻出単元を優先する |
| 志望校のほうが上で、基礎が固まっている | 上のコースを目指す価値がある |
| 志望校のほうが上だが、基礎に不安がある | まず基礎を固める。コースは結果としてついてくる |
1回だけでなく、複数回の偏差値推移と合不合判定、過去問の得点状況を合わせて確認してください。1回の結果で判断すると方針がぶれます。
偏差値そのものが伸び悩んでいる場合は、こちらも参考にしてください。
家庭だけで難しいときは家庭教師の併用も選択肢

Sを目指す場合、家庭で担う作業量が一気に増えます。次のような状態が続く場合は、抱え込みすぎている可能性があります。
- 週テストの直しが毎週たまっている
- 算数を保護者が教えきれない
- どの単元まで戻ればよいか判断できない
- 組分け前に何を優先すべきか毎回迷う
- 親子げんかが増えている
教材を増やすためではなく、優先順位を決めるために使う
併用の目的は、演習量を増やすことではありません。任せたいのは次の役割です。
- 週テストの答案から、繰り返し落としている単元を特定する
- 戻る範囲と、演習問題集に進むタイミングを判断する
- 解き直しを一緒に行い、答えを写す状態をなくす
- 組分けテストまでの5週間の計画を組む
併用で失敗しやすいパターン
使い方を誤ると、かえって負担が増えます。次の状態になっていないか確認してください。
- 家庭教師の課題が追加されて、週テストの直しが後回しになる
- 基礎が不安定なのに難問演習ばかり増える
- 塾と指導方針がずれ、お子さんが混乱する
- 睡眠時間が削られている
選ぶときは、難関校の実績だけでなく、予習シリーズと週テスト・組分けテストに対応できるかを必ず確認してください。ここが噛み合わないと、教材が増えるだけになります。
四谷大塚の教材やテストに対応できる家庭教師を比較しています。
FAQ|四谷大塚Sクラス・Sコースのよくある質問
SクラスとSコースは何が違いますか?
Sコースは週テストで受ける問題の難度区分で、組分けテストの結果によって決まります。Sクラス(S組)は普段授業を受ける教室の分け方で、基準は校舎ごとに異なります。S組の中にSコースとCコースの子が混在することもあります。
Sコースに入る偏差値の目安は?
回ごとの難易度で変動するため、固定の数値はありません。得点率でいえば、4・5年生で8割前後、6年生で7割前後が一つの水準として挙げられますが、基準値は毎回発表されるため最新のものを確認してください。
週テストでは偏差値60あるのに、なぜSに届かないのですか?
週テストはコースごとに問題が異なり、母集団も違うためです。下のコースの週テストで高い偏差値が出ていても、共通問題の組分けでは大きく下がるのが通常です。距離は組分けの数値で測ってください。
Sクラスはなぜ難しいのですか?
組分けテストの範囲が3〜4週分と広く直前対策が効きにくいこと、週テストの手応えが基準にならないこと、上位コースの枠が限られること、予習シリーズの次の段階の教材まで必要になることが重なるためです。
Sクラスに入れないと難関校は厳しいですか?
コースやクラスで合否は決まりません。志望校との距離は、組分けテストや合不合判定テストの直近3回の平均偏差値で確認しましょう。
Sに上がったら、そのまま維持できますか?
問題の難度が上がるため、最初の1〜2回は点数が下がることがあります。全問正解を目指さず、基本問題の取りこぼしがないかだけを確認してください。
まとめ|Sを目指すなら「基準の確認」と「5週間の使い方」から
四谷大塚でSを目指すときは、次の順で整理してください。
- 目指しているのがSコースかS組(クラス)かを確認する
- 距離は週テストではなく、組分けテストの数値で測る
- 校舎に「あと何点で見えるか」を確認する
- 5週間の使い方を最初に決め、直前に新しいことをしない
Sが難しいのは、お子さんの努力が足りないからではありません。仕組みとして難度が上がるようにできているだけです。理由が分かれば、次の5週間で何をするかも決まります。
そして、コースは目的ではなく手段です。今の位置で基礎を固めたほうが伸びるお子さんもいます。志望校に必要な力が積み上がっているかを基準に判断していきましょう。
家庭だけで単元の特定や解き直しの管理が難しい場合は、四谷大塚を続けながら、詰まっている工程だけ外部に任せる方法もあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。




