「予習シリーズの練習問題になると、まったく手が動かない」
「演習問題集まで終わらず、毎週やり残しがたまっていく」
「解説を読んでも理解できず、親も教えられない」と悩んでいませんか。
結論からいうと、予習シリーズについていけない原因の多くは、理解力の不足ではなく、今のお子さんに必要のない問題まで手を出していることにあります。
予習シリーズは、基本から高度な内容まで段階的に学ぶ教材です。さらに演習問題集や最難関問題集など複数の教材があるため、すべての問題を同じ優先度で進めようとすると、家庭学習が回らなくなることがあります。必要なのは頑張ることではなく、自分の到達点を決めることです。
私は塾講師と家庭教師のトライの教育プランナーとして、600人以上のお子さんの学習相談を担当してきました。立て直せたご家庭に共通していたのは、量を増やすのではなく、「今週やる問題」と「今はやらない問題」を先に決めていたことです。
この記事では、予習シリーズの構成、コース別にどこまでやれば十分かの目安、ついていけない原因、学年別の立て直し方まで解説します。
読み終えたときには、「今週やるページと問題番号」がはっきりし、夜の時間と親子の会話に余裕が生まれるはずです。
結論|「ついていけない」の正体は、やる範囲が合っていないこと
予習シリーズについていけないと感じたとき、多くのご家庭は「理解力が足りない」「勉強時間が足りない」と考えます。
しかし実際には、次のどれかであることがほとんどです。
| 状態 | 起きていること | 次にすること |
|---|---|---|
| ①やる範囲が合っていない | 今のコースに必要のない難問まで手を出している | 到達点を決めて、そこから上は切る |
| ②理解の段階が飛んでいる | 例題を再現できないまま練習問題に進んでいる | 例題・類題に戻る |
| ③前の単元が抜けている | 特に算数で、土台の単元があいまい | つまずいた単元まで戻る |
この3つは、対処法がまったく違います。①なのに時間を増やせば消耗するだけですし、③なのに今週の内容を繰り返しても解決しません。
まずは、どれなのかを見分けるところから始めましょう。
予習シリーズは段階構成|時間が足りないときの優先順位

予習シリーズについていけないと感じたときは、まず教材の構造を知っておきましょう。算数を例にすると、予習シリーズは基本から難度の高い問題へ段階的に進むように作られています。
| 教材 | 段階(やさしい順) | 役割 |
|---|---|---|
| 予習シリーズ本体 | 例題 → 類題 → 基本問題 → 練習問題 | その週の考え方を身につける |
| 演習問題集 | 反復 → 練習 → 実戦 | 理解した内容を自力で解ける状態にする |
つまり、すべての問題を同じ優先度で進める必要はありません。例題や基本問題がまだ自力で解けないのに、難度の高い演習へ進むと、1問に時間がかかり、ほかの課題まで回らなくなります。
反対に、例題・類題・基本問題まで安定して解けているなら、演習問題集へ進んで定着を深める段階です。「どこまで進むか」は、今の理解度によって変えると考えてください。
時間が足りない週は、この順で優先する
予習シリーズや演習問題集が終わらない場合は、まず「今週何を残すか」を決めます。一般的には、次の順で考えると整理しやすくなります。
- 校舎・提携塾から必須と指定された課題
- 計算・漢字などの基礎
- 例題・類題・基本問題のうち、まだ自力で解けないところ
- 演習問題集の指定範囲
- 余力があれば難度の高い問題・発展問題
時間が足りないときは、⑤から順に後回しにします。たとえば算数で、例題を見れば分かるものの何も見ずには解けない場合は、演習問題集の難しい問題へ進むより、例題・類題を自力で再現できる状態に戻すほうを優先します。
また、1問で長時間止まると、その日の学習全体が崩れます。家庭学習を回す目安として、数分考えて方針が立たない問題には印をつけ、いったん先へ進みましょう。あとで先生や予習ナビなどを使って確認できる状態にしておけば十分です。
ただし、必須と指定されている範囲を自己判断で削るのは避けてください。必要な範囲は、校舎・提携塾の方針や在籍コース、志望校によって異なります。
「今のコースでは、予習シリーズと演習問題集をそれぞれどこまで優先すればよいですか」と一度教室に確認しておくと、毎週「全部やらないといけないのか」と迷わずに済みます。
予習シリーズについていけない6つの原因

原因① 今のコースに必要のない問題まで解いている
最も多い原因です。上のコースの子と同じ範囲をやろうとすると、当然回りません。
家庭学習を回す目安として、10分以上考えても方針が立たない問題はいったん印をつけて先に進みます。
原因② 例題を「読んで終わり」にしている
特に算数で多いのが、「解説を読むとわかるけれど、自力では解けない」状態です。
予習シリーズは読むだけでは定着しません。次の3つを確認してください。
- 例題を何も見ずに解けるか
- 途中式を書けるか
- 数日後にもう一度解けるか
ここが不安定なまま練習問題に進むと、必ず手が止まります。例題が再現できないなら、練習問題はやらなくて構いません。
原因③ カリキュラムの進度が速い
予習シリーズは改訂によってカリキュラムが前倒しされ、2021年から順次行われた改訂では、算数で旧版の5年生内容の一部が4年生へ移るなど、カリキュラムの変更がありました。
つまり、以前より速いペースで進む設計になっているということです。「上の子のときは大丈夫だったのに」と感じるのは、お子さんの問題ではありません。
速い進度に全部で追いつこうとするのではなく、押さえる範囲を絞る前提で考えてください。
原因④ 前の単元が抜けている
算数は積み上げの科目です。割合があいまいなまま比や速さに進むと、今週の例題すら理解できません。
今週の内容が急に難しくなったと感じる場合、原因は今週ではなく数週間前にあることがあります。この場合は、今週の宿題を頑張るより、つまずいた単元の例題まで戻るほうが早く解決します。
原因⑤ 予習ナビ・復習ナビなどのサポートを使い切れていない
解説を読んでも分からないなら予習ナビ、週テストで間違えた問題の復習なら復習ナビと、目的を分けて使います。利用できる受講形態であれば、家庭で保護者がすべて教える前に試してみましょう。
読んで理解するのが苦手なお子さんは、映像で説明を聞くと一気に理解が進むことがあります。使える環境があるなら、まずここを試してください。保護者が教える負担も減ります。
原因⑥ 保護者がすべてを見ようとしている
予習・宿題・丸付け・直しをすべて保護者が担うと、平日の夜が確実に破綻します。
元教育プランナーとして見てきた中でも、学力より先に親子関係が苦しくなり、学習が止まってしまうご家庭は少なくありませんでした。担う範囲を減らすことも、立派な対策です。
科目別|つまずきやすいポイントと対処

算数|例題の再現ができているかで判断する
割合・比・速さ・図形でつまずきやすくなります。判断基準はシンプルで、例題を自力で再現できるかどうかです。
再現できないうちは、練習問題や演習問題集に進まないでください。段階を飛ばすと、時間だけがかかって定着しません。
国語|解いて丸付けして終わりになりやすい
国語は範囲の線引きが難しく、ただ解いて丸をつけて終わりになりがちです。
大切なのは、なぜその答えになるのか、本文のどこを根拠にしたのかを確認することです。1問でよいので、根拠の場所を指させるか確認してください。
漢字・語句は毎週落とさないようにしておくと、点数が安定します。
理科・社会|覚えるだけで終わらせない
暗記だけで進めると、少し問われ方が変わっただけで答えられなくなります。理由や流れを説明できるかを確認しましょう。
時間が足りない週は、演習問題を削ってでも、知識の確認だけは残してください。
学年別|予習シリーズについていけないときの立て直し方

小4|例題と類題を自力で解ける状態を作る
小4は、難問まで追いかける必要はまったくありません。優先するのは次の3つです。
- 算数は例題・類題を自力で解けるようにする
- 国語は漢字・語句を毎週落とさない
- 週テスト後は、間違えた問題を2〜3問だけ解き直す
この学年で大切なのは、応用まで完璧にすることではなく、「授業→復習→週テスト→直し」の流れを崩さないことです。
小5|負担が増えやすい時期。優先順位を決める
小5は、ついていけないと感じるご家庭が一気に増える学年です。内容が難しくなるうえに、扱う分量も増えます。
ここで全部をやろうとすると必ず崩れます。次のように運用してください。
- 今週やる問題番号を、始める前に決める
- 3分考えて手が止まったら印をつけて飛ばす
- 週テストで落とした単元を一覧にする
- 組分け前は、戻る単元を3つまでに絞る
私は家庭学習を回す目安として「3分程度考えて手が動かなければ、いったん印をつける」方法をおすすめしています。小5で一番避けたいのは、理解できていない単元を抱えたまま進み続けることです。
週テストで点が取れない場合は、復習手順をこちらで確認してください。
小6|志望校に必要な範囲だけを選ぶ
小6は、予習シリーズ・週テスト・組分け・過去問を同じ重さで進めるのは現実的ではありません。
判断基準は「志望校で必要かどうか」です。志望校が基本〜標準問題の正確さを問うタイプなら、難問対策に時間を使う必要はありません。
過去問で繰り返し失点している分野から優先して戻りましょう。
塾をやめる前に見直す順番|家庭・校舎
ついていけないからといって、すぐに塾を辞める必要はありません。次の順で見直してください。
①家庭で、やる範囲を決める
今週やる問題番号を、始める前に決めます。「終わるまでやる」ではなく「ここまでやったら終わり」に変えるだけで、取りかかりが早くなります。
あわせて、就寝時間を先に決めてください。睡眠を削ると翌週の授業の理解度が落ち、さらについていけなくなります。
②校舎の先生に、到達点を確認する
「ついていけません」とだけ伝えると、「頑張りましょう」で終わることがあります。次のように具体的に聞いてください。宿題の範囲や教材の使い方は、四谷大塚直営校・提携塾・受講形態によって異なります。この記事の優先順位は一般的な整理として参考にし、実際の必須範囲は通っている教室で確認してください。
- 今のコースで、本体はどの問題まで解ければ十分ですか
- 演習問題集は、どこまで取り組むべきですか
- 時間が足りないとき、後回しにしてよいのはどれですか
- 今のクラスと理解度は合っていますか
答案や成績表を見せながら聞くと、より具体的な答えが返ってきます。
そもそも学習スタイルが合っているか迷う場合は、こちらも参考にしてください。
ここまで試しても難しければ、外部サポートを使う選択肢もあります。次の章でくわしく解説しています。
家庭教師を併用する場合の使い方と注意点

併用する場合、目的は演習量を増やすことではありません。任せたいのは次の役割です。
- 今週やる問題と、飛ばしてよい問題を仕分ける
- つまずいた単元を特定し、どの例題まで戻るか決める
- 例題を自力で再現できる状態まで一緒に確認する
- 週テストの直しを一緒に行う
併用で失敗しやすいパターン
- 新しい教材が追加され、予習シリーズの直しが後回しになる
- 例題が固まっていないのに応用問題を扱う
- 四谷大塚の宿題を全部見てもらおうとする
- 睡眠時間や休む時間が減る
四谷大塚はもともとの学習量が多い塾です。別教材を増やすより、予習シリーズ・演習問題集・週テストの答案を使って整理してもらうほうが、負担を増やさずに立て直せます。
選ぶときは、予習シリーズと週テストに対応できるか、講師の交代が可能かも確認しておくと安心です。
四谷大塚と併用しやすい家庭教師を比較しています。
FAQ|予習シリーズについていけないときのよくある質問
予習シリーズは全部やらないとダメですか?
やる必要はありません。予習シリーズは最難関レベルまで含む段階構成の教材です。今のコースに応じて到達点を決め、それより上は飛ばして構いません。範囲は校舎で確認しておくと安心です。
演習問題集はやるべきですか?
本体の例題・類題・基本問題が固まっていない段階では、無理に進める必要はありません。反復問題は本体の数値替えなので、本体が理解できていれば飛ばせる部分でもあります。
解説を読んでも理解できません
予習ナビなどの映像授業で該当単元を見直すのが最短です。それでも理解できない場合は、今の到達点より上の問題である可能性が高いので、例題まで戻ってください。
小5から急についていけなくなりました
小5は内容も分量も一気に増える学年で、多くのご家庭で起こります。今週やる問題番号を先に決め、3分で手が止まったら飛ばすルールを導入してください。
やる範囲を減らすと成績が下がりませんか?
削る対象を間違えなければ、むしろ安定します。解けない難問に時間を使うより、例題と基本問題を確実にするほうが週テストの点数につながります。計算練習と直しまで削ると影響が出ます。
ついていけない場合、転塾すべきですか?
まずは範囲を絞り、校舎に到達点を確認してからで十分です。それでも例題の段階から進められない状態が続く場合に、外部サポートや環境の見直しを検討しましょう。
まとめ|予習シリーズは「どこまでやるか」を決めれば回る
予習シリーズについていけないときは、量を増やす前に次の順で整理してください。
- 例題を自力で再現できるかを確認する
- 今のコースの到達点を決め、それより上は飛ばす
- 3分で手が止まったら印をつけて飛ばす
- 校舎の先生に「どこまでやるべきか」を一度確認する
予習シリーズは最難関レベルまで収められた教材です。全部やろうとして苦しくなるのは、お子さんの力が足りないからではありません。
やる範囲が決まると、睡眠時間が戻り、声をかける回数も減ります。中学受験は長く続くため、毎週回る形を作れるかどうかが最終的な結果を左右します。
家庭だけで範囲の判断や解き直しの管理が難しい場合は、四谷大塚を続けながら、詰まっている工程だけ外部に任せる方法もあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。




